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じんじ屋エールは自由設計が基本コンセプト。

じんじ屋エール

since1995

人事のソナタ 41-50

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 (*^_^*) チンギン君 
 (*^・^) ヒョウカさん
 (.^◇^) シャチョーさん[特別出演]
 ( ^◇^) 前作のシャチョーさん[友情出演]
 (-.-)y- コンサルタント・エックス
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−目次−

第41話 評価者エラーのチェック
第42話 評価の調整その1
第43話 評価の調整その2(甘辛調整)
第44話 賞与の支給:もう悩まない!
第45話 間違えた昇給
第46話 ベースアップのやり方
第47話 評価結果の活用
第48話 人事制度コンサル1
第49話 人事制度コンサル2
第50話 人事制度コンサル3


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃評価者エラーのチェック
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 (-.-)y- 評価者のみなさんから評価シートの回収は済みましたか?

 (*^_^*) はい、もうパソコンに入力しちゃいましたよ。

 (*^・^) [入力したのは私なんだけど]

 (-.-)y- さすがチンギン君、やる事が早いですね。

 (*^_^*) いやぁ、それほどでも。

 (*^・^) [だから、私がやったんだってば]

 (-.-)y- それでは、評価者のエラーチェックをしてみましょう。
     評価者のみなさんは、まだ慣れていないので、けっこうエラーが出
     てきそうですよ。営業課長から見てみましょうか。

 (*^_^*) 山田花子課長か。ああいう人が上司だったらなぁ。
     えーと、評価合計点の平均が60.54点で、山田課長は63.00点だから
     ほんのチョット甘めかな。

     【参考】評価者エラーチェック(評価者一覧)

 (*^・^) とても良い課長だわ。

 (*^_^*) そういう問題じゃねーだろ!

 (*^・^) まあ、この程度なら合格ね。
     私知ってる!甘くつけやすいのは寛大化傾向っていうんです。
     
 (*^_^*) この逆だったら厳格化傾向ってことだね。

 (-.-)y- 評価者エラーを調べるには、この他に「被評価者別」と「評価要素
     別」でみる方法があります。

 (*^・^) 被評価者って評価される人、いわゆる部下のことですよね。

 (-.-)y- はい。
     でも、多面評価などを行ってる場合は、そうとも言えませんけど。
     「被評価者別」のチェックは、特定の被評価者に甘くつけたりする
     エラーを探します。

 (*^_^*) ふ〜ん、それでは「評価要素別」のエラーチェックの目的は?

 (-.-)y- その名のとおり!特定の評価要素に評価ミスが潜んでいないかを調
     べるのですよ。

     【参考】評価者エラーチェック(評価要素別)

 (*^・^) あらら、山田課長ったら、評価要素によっては、だいぶ中心化傾向
     のエラーがありそうですよ。

 (*^_^*) 中心化傾向ってのは、差をつけたがらないんだぜ。

 (*^・^) それくらい知ってるわよ。

 (-.-)y- それでは、何の数値でチェックするのでしょうか?

 (*^・^) あれっ?

 (*^_^*) なんだっけ?

 (-.-)y- お2人とも、お忘れのようですね。
     中心化傾向は、評価のバラツキの程度を判断するために標準偏差を
     使ってチェックします。バラツキが小さいと中心化傾向、大きいと
     極端化傾向というエラーの疑いがあるわけです。

     チンギン君の出向元の会社で、そこの社長さんと課長さんがこんな
     話をしています。とても参考になりますよ。

     【参考】シャチョーさんとカチョーさんシリーズ 第39話

 (*^_^*) おー、このカチョーはボクの前の上司ですよ。
     けっこうシャチョーにいじめられてんのな、可哀想に。

 (-.-)y- 今日は客観的データによる評価者エラーチェックをみてきました。
     この他にも、データからは判断しにくいエラーが沢山ありますよ。

 (*^_^*) ちょっと質問で〜す。
     コンサルタント・エックスさんもエラーすることがあるのですか?

 (-.-)y- もちろん、ありますよ。
     私なんて「対比誤差」による「厳格化傾向」が出やすいタイプです。

 (*^_^*) 対比誤差?

 (-.-)y- 私と部下を比較しちゃあ可哀想ですよね。

 (*^_^*) [自慢かよ!]


 対比誤差とは、自分と部下を比較して評価することです。
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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【オマケ】

 (-.-)y- 評価者エラーチェックは、評価の甘辛・バラツキを客観的なデータ
     で示すもので、特に多面評価を行う場合に有効です。
     各エラーチェック表の「人数欄」の分母が分子の3倍以上ないとエ
     ラーの傾向を掴むことは難しいです。
     また、ある評価者にエラーの疑いがある場合であっても、もしかし
     たらその他大勢の方にエラーがあるのかもしれません。
     エラーマークがついているからと単純には判断しないでください。


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃評価の調整その1
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 (-.-)y- 評価結果の集計を終えたので、今日は調整作業を行いましょう。

 (*^_^*) 調整って絶対に必要なコトですか?

 (-.-)y- 絶対に必要とはいいませんけどね。
     でも、評価結果が100%信頼がおけるかというと、そうでもあり
     ません。前回のエラーチェックで、そう感じませんでしたか?

 (*^_^*) うーん、特に評価が辛い上司の場合は「やってらんねーよ」って感
     じですね。逆の場合はラッキーだけど。

 (-.-)y- その他にも、部署や階層によって評価シートが異なります。
     評価シートによっては、評価点が高くなりやすい場合もあり、その
     逆の場合もありますね。

 (*^・^) それって不公平だわ!

 (-.-)y- だから調整が必要なのですよ。
     このような調整を、一般的に「甘辛調整」とか「部門間調整」と呼
     んでいます。

 (*^_^*) 甘辛調整は、寛大化傾向と厳格化傾向の点差を調整することですよ
     ね。それはわかるんだけど・・・。

 (-.-)y- 何か(他にわからない点でも)?

 (*^_^*) えーと、中心化傾向や極端化傾向は調整しなくていいのですか?

 (-.-)y- 良いところに気がつきましたね。
     それも一緒に調整することを検討したいですね。
     調整作業には、「機械的な調整」と「人為的な調整」があります。
     順番は、前者が先で、後者が後になります。

 (*^・^) 前置きがナガイぃ〜

 (-.-)y- あっ、ごめんなさい。
     それでは順を追って説明していきましょう。
     まず最初は、「1人の社員」を「複数の評価者」が評価した場合に
     評価者ウエイトで按分する作業です。これは絶対に必要です。

 (*^・^) それも調整なの?
     絶対に必要なのはわかるけど、単なる計算じゃない。

 (*^_^*) つまんねえツッコミ入れんなよ!
     コンサルタント・エックスさんが困った顔してるぞ。

 (-.-)y- [無視!]
     まあ、細かいことは抜きにして話を進めましょう。
     通常これは「機械的な調整」として自動計算でやってしまいます。
     どんな計算をするのか、みてみましょうか。

     評価シートには、成績・情意・能力という3つの評価要素グループ
     で構成するものとします。

     <1次評価者>
     <成績ウエイト:2><評価要素グループウエイト:30><点数:18>
     <情意ウエイト:1><評価要素グループウエイト:40><点数:22>
     <能力ウエイト:1><評価要素グループウエイト:30><点数:12>

     <2次評価者>
     <成績ウエイト:1><評価要素グループウエイト:30><点数:15>
     <情意ウエイト:1><評価要素グループウエイト:40><点数:24>
     <能力ウエイト:2><評価要素グループウエイト:30><点数:15>

 (*^・^) わたし数学だいっ嫌い!

 (*^_^*) おいおい、これは小学生の算数だぞ。

 (-.-)y- はい、計算はきわめて単純です。
     成績ウエイトは、1次評価者が2、2次評価者が1ですから、得点
     は次のようになります。
     (18×2+15×1)÷(2+1)=17
     同様に計算すると、情意ウエイトは23、能力ウエイトは14です。
     したがって、合計の評価点は?

 (*^・^) はい、はい、は〜い!

 (-.-)y- おっ、ヒョウカさんにも分かりましたか。

 (*^・^) 54点です。

 (-.-)y- ご迷算。あっ間違えました、ご名算!

 (*^・^) [バカにするなー!]


 次回は、本来の調整である甘辛調整やバラツキの調整を確認しましょう。
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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【オマケ】

 (-.-)y- じんじ屋エールでは、上記をすべて自動計算をしてしまいますから、
     中でどんな計算をしているのか分からなくても済んでしまいます。
     しかし、運用担当者はその内容を理解する必要があります。

     次回の内容も含めて、このページが参考になりますヨ↓
     【参考】ここをクリック


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃評価の調整その2(甘辛調整)
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 (-.-)y- 今日は「甘辛調整」を行います。

 (*^_^*) それは「評価者エラー」でやりましたよ。

 (*^・^) うん、覚えがある。
     また同じ話をされてもねぇ。飽きちゃうわ。

 (-.-)y- 評価者エラーと同じ話!?
     ちゃうちゃう、似て非なるもの、ですよ。

 (*^_^*) それじゃあ一応聞いてみましょうか。

 (*^・^) そうね、一応ね。

 (-.-)y- [ニャロ!]
     先週、チンギン君が評価が辛い上司の場合は「やってらんねーよ」
     と言ってましたね。
     まずは、この調整をどうするかです。

 (*^・^) 私の上司は、けっこう甘くつけそうです。

 (*^_^*) ボクの上司は、う〜〜〜ん、辛そうかなぁ。

 (-.-)y- 私がみる限り、チンギン君とヒョウカさんの評価は、部署は違えど
     そう変わらないように思います。
     もし、お2人の評価結果に大きな開きがあったらどうしますか?

 (*^・^) [私の方が評価が良さそうね]
     別にいいんじゃない。

 (*^_^*) [コイツにだけは負けたくねーな]
     ボクの上司は辛くつけそうだから、それは不公平だと思います。

 (-.-)y- そうですね。
     評価結果が不公平ではいけませんよね。
     だから「甘辛調整」が必要なのです。

 (*^_^*) どんな方法でやるのですか?

 (-.-)y- 簡単な例で示しましょう。
     チンギン君の合計評価点が58点、部署の平均点が50点とします。
     ヒョウカさんの合計評価点は69点、部署の平均点が60点とします。
     部署の平均点の差は?

 (*^_^*) [なんでヒョウカさんより11点も低いんだよ]
     これは例ですよね。
     ボクの部署が10点も低いです。

 (-.-)y- そうですね。
     10点も低くなった原因として、評価者のエラーが関係していること
     が考えられます。

 (*^・^) でも、私の部署のメンバーに優秀な社員ばかり揃っているというこ
     とは考えられませんか?

 (-.-)y- もちろん、そのようなケースも考えられます。
     しかし、部署が違えば仕事の内容も異なります。
     当然、評価シートも異なりますから、ある評価シートでは全体的に
     高い評価になりやすいことがあり、その逆もあります。

 (*^_^*) [当然だよ]
     だから「甘辛調整」をせざるを得ないのですね。

 (-.-)y- せざるを得ない、とは言いませんがね。
     極端に人数の少ない部署が含まれていると、かえって不都合が生じ
     ることがありますから。

 (*^_^*) 不都合?

 (-.-)y- はい、2人しかいない部署の平均点が80点だとします。
     社内では、2人とも優秀な社員であることを誰しも認めています。
     調整して部署の平均点を60点に下げてしまったら・・・。

 (*^_^*) 2人とも20点下がってしまいますね。

 (-.-)y- だから、どんな調整をするかは会社で決める必要があります。
     調整は、最初に「機械的な方法」で行いますが、最終的に「人為的
     な方法」で微調整をすることもあります。

 (*^_^*) 社員を公平に評価するのは、調整も含めて大変なことなのですね。

 (-.-)y- そうですよ。
     評価結果で、その人の賞与や昇給が決まってくるわけですから、い
     い加減にはできません。評価の大義名分を「社員の教育に活用」と
     している会社だって同じです。
     社員の関心事は、賞与や昇給なのですから。

     それと100%公平な評価なんてあり得ません。いかに公平感のある
     評価を行うことができるか、それが重要なことです。

     とりあえずチンギン君の部署平均点50点に10点上乗せしてしてみま
     しょうか。

       チンギン君の部署平均点・・・・50点 → 60点
       ヒョウカさんの部署平均点・・・60点変わらず

 (*^・^) 60点になったわ。
     私の部署の平均点と同じね。

 (-.-)y- チンギン君の合計評価点にも、同様に10点上乗せすると・・・。

       チンギン君の合計評価点・・・・58点 → 68点
       ヒョウカさんの合計評価点・・・69点変わらず

 (*^・^) 68点ですね。
     私は69点だから・・・フフッ、1点勝ちネ。

 (*^_^*) [なんなんだ、その勝ち誇ったような態度は]
     あのさぁ、これは例だからな。それに、たったの1点だろ!
     実際の評価では、ボクの方が上だと思うけど。

 (-.-)y- [仲が良いくせに、張り合ってばかりなんだから]
     今回説明できなかった「バラツキの調整」をすると、お2人の点数
     は逆転するかもしれませんよ。

 (*^・^) そうなのですか?

 (*^_^*) あったり前じゃん!

 (-.-)y- まあ、私が上司だったら、お2人とも高得点ですよ。
     頑張っている姿を見てきていますからネ(観察メモもとってるし)。

     総合評価は、点数をそのまま利用しないで、一般的に5〜7段階程
     度(例えばSABCDの5段階)に区分けします。
     本例ではチンギン君とヒョウカさんに1点の差が生じましたが、そ
     れが区分のボーダーライン上でない限り、お2人の評価は同じです。
     ボーダーライン上ならば、そこで人為的な調整が必要になるかもし
     れませんね。


 2人の恋の行方にヤキモキしているコンサルタント・エックスさんでした。
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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【オマケ】

 (-.-)y- 本文で「バラツキの調整」も説明しようと思ったのですが、話が長
     くなってしまうので、割愛しました。
     (↑本当の理由:書くのが面倒だから?★ちがいますよぉ!)

     「バラツキの調整」は、こちらのページで詳しく説明しています。
     調整作業では、「甘辛調整」と「バラツキの調整」の両方を行う場
     合は、まとめて処理をしてしまいます。
     【参考】ここをクリック

     また、「バラツキの調整」は、前作の「シャチョーさんカチョーさ
     んシリーズ」でも解説しています。
     【参考】ここをクリック


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃賞与の支給:もう悩まない!
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 賞与の支給はお済みですか?
 配分基準を定めていない会社は、毎度のことながらお悩みになったでしょう。
 ほらっ、そこの社長さん、舌が真っ黒ですよ! エンピツ舐めすぎ〜

 本日は、そんなお悩みを解消できる「総額配分方式」のお話をします。

 
 (*^・^) 今日は賞与の解説をしてもらえるのね。
     あれっ、コンサルタント・エックスさんは?

 (*^_^*) 風邪ひいて休みだよ。
     代わりにボクがご教授してあげよう。

 (*^・^) [なんでチンギン君なの]
     ちゃんと分かるように説明してよ。

 (*^_^*) まかせなさい!
     毎月の給与は「固定費」、賞与は「変動費」と位置付けると、賞与
     を支払うときには、最初に予算を定める必要があるな。

 (*^・^) 会社が儲かったときは、沢山のお金を社員に還元するのね。

 (*^_^*) うん。
     逆に儲かってないときは、少ししか賞与が出ないってこと。

 (*^・^) 賞与を沢山貰いたければ、会社の利益を増やさないとね。
     理にかなっているわ。
     
 (*^_^*) 賞与の計算方法には、大きく分けて2つの方法があるぞ。
     1つ目は個人別に計算する方法・・・

     例)基礎額×出勤係数×在籍係数×支給係数
      
     上記例で、基礎額30万円、皆勤、期間中オール在籍、支給係数(月数)
     を1.5ヶ月とすると、30×1×1×1.5=45万円になる。 
     このように、それぞれ個人別に計算したものを合計するんだ。

 (*^・^) それだと変!
     予算を定めても、なかなかそのとおりの金額にはならないわ。

 (*^_^*) 大丈夫!ちょっと余計な計算を加えれば可能だよ。
     予算総額を500万円としよう。
     さっきの計算で全員のトータルが1000万円になったらどうする?

 (*^・^) 会社は損するけど、社員はラッキー!

 (*^_^*) 違うだろっ!
     予算が500万円だから支給係数を変更しなくちゃ。
     500万円÷1000万円×1.5=0.75
     支給係数を0.75ヶ月に減らす必要があるな。

     【参考】ここをクリック

 (*^・^) そっかぁ。
     30×1×1×0.75=22.5万円
     再度このように計算したものを合計すればいいのね。
     それなら予算と同じ500万円になるわ。

 (*^_^*) だけどね、その方法では、次のような計算式だと難しくなっちゃう。

     例)基礎額A×出勤係数×在籍係数×支給係数1
      +基礎額B×出勤係数×在籍係数×評価係数×支給係数2

 (*^・^) なんか複雑ねぇ。
     
 (*^_^*) そこで「総額配分方式」が必要になってくるんだ。

     まず予算総額を500万円とする。
     「基礎額A×出勤係数×在籍係数×支給係数1」で計算したトータ
     ルが300万円になったとしよう。

     すると、残りは200万円だ。
     総額配分方式で「基礎額B×出勤係数×在籍係数×評価係数」を予
     算200万円で計算すればOKさ。

 (*^・^) 「支給係数2」が消えちゃったけど?

 (*^_^*) 総額配分方式では、支給係数を自動算出できるんだ。
     予算さえ決めれば、あとは配分基準どおりに計算できちゃうぞ。
     【参考】ここをクリック

 (*^・^) [よく分からないけど・・・]
     その計算で、ちょうど500万円になるのね。

 (*^_^*) そうだよ。

 (*^・^) ふ〜ん。


 ヒョウカさんは、まだ理解不充分のようですね。
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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【オマケ】

 (-.-)y- アハアハアハ、うかつにも風邪ひいちゃいました。
     もう全快です!さて、フォローしなくっちゃ。     

     チンギン君の説明はいかがでしたか?

     もっと知りたい方は、下記ファイルをダウンロードしてください。

     これは、賞与配分の考え方をご理解いただくための補助資料です。
     MicrosoftExcelで作成したファイルです。シミュレーションをして
     【個人別計算】と【総額配分】の金額変化をご確認ください。

     賞与配分計算


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃間違えた昇給
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 新制度を導入してから初めての昇給時期がやってきました。
 昇給と一緒に「等級に基づく基本給」のベースアップを行ったのですが、ち
 ょっと失敗をしてしまったようです。さあ大変!

 (*^・^) チンギン君、1週間も風邪をひいてたのね。

 (*^_^*) ああ、まだ鼻がグズグズするよ。
     ところでボクが休んでる間に昇給は終わったの?

 (*^・^) うん。

 (*^_^*) それじゃあ昇給の内容を見せて。

 (*^・^) いいわよ。

 (*^_^*) あら〜、あらら〜。どうしてボクの号俸が9号も上がってるのかな。
     最高でも8号までのはずなんだけどなぁ。
     なんで、そうなっちゃったの?

 (*^・^) だって、社長が今年はもうかったから4号上乗せしておけって言っ
     たんだもん

 (*^_^*) [チッ、ボクの昇給は5号か。それって「普通」じゃん!]
     それで全員に4号上乗せしたの?

 (*^・^) そうよ。

 (*^_^*) やっちまったな。

 (*^・^) 何よう。

 (*^_^*) だって、その4号はベースアップ分だぜ。
     昇給とベースアップをゴッチャにすんなよ!

 (*^・^) あっ、そうだった。
     ベースアップは、賃金水準の底上げだったわね。

 (*^_^*) そう、賃金表の書き替えをしないとダメなんだ。
     どうすんだよ!

 (*^・^) もうデータを給与計算の委託先に渡しちゃったわ。
     銀行への連絡は明日までだから、今から直すのはちょっと・・・。

 (*^_^*) こまったなぁ。
     そんなときは・・・コンサルタントエックスさ〜ん。

 (-.-)y- はいはい、お話は聞いていましたよ。
     たしかにチンギン君の言うとおリ、このままでは制度が壊れてしま
     いますね。

 (*^・^) えっ、こんな些細なことて壊れちゃうんですか?

 (*^_^*) 自分でミスっといて些細なことはねーだろ!

 (*^・^) [そんなに責めないでよぅ]
     シクシクシク。

 (-.-)y- 泣かないで、ヒョウカさん。
     私に策があります。

 (*^・^) [いつも優しいのね]
     どんな策ですか?

 (-.-)y- ちょっと強引ですが、ベースアップ分を調整給にしてしまうのです。
     そして、次回の賃金改定で調整給を外しましょう。
     外した調整給の金額は、ベースアップの原資として上乗せします。

 (*^・^) ベースアップ分を調整給?

 (-.-)y- はい。
     例えば、3級の初号は70,000円、1号当たりピッチは600円(ただ
     し30号を超えるとピッチ減少)となっていますね。
     号俸が30以下なら、ベースアップ分は600円×4号=2400円になりま
     す。この2400円を調整給にしちゃいましょう。 

 (*^_^*) 30号を超えてしまう人は?

 (-.-)y- ベースアップ分はもっと少ない額になりますね。
     1800円とかね。それが調整給になります。
     それと、上限号俸までいってしまっていて昇格できない人のベース
     アップ分はありませんので調整給もゼロ円です。

 (*^_^*) それって、おかしくありませんか?
     ベースアップは賃金表の底上げだから、ベースアップをしたのにそ
     の分がゼロ円の人がいるなんて。。。ありえねーっつうの。

 (-.-)y- そうですよねー。
     そのような人は、次回の賃金改定のときに増額となる割合が多くな
     るでしょう。アハアハアハ、これは苦肉の策でしたね。

 (*^_^*) せっかく授けていただいた策ですけど、それじゃあ社員に説明でき
     ませんよ。

 (*^・^) やっぱり、やり直したほうがよさそうね。
     給与計算の委託先に頼んでみるわ。

 (*^_^*) そうした方がいいよ。

 (-.-)y- [余計なこと言わなきゃよかったかな]
     えへっ、私もそうした方がいいと思います。


 チンギン君がいないときに、大失敗をやらかしてしまったヒョウカさん。
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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【オマケ】

 (-.-)y- 特に初年度の運用は、慣れていないため失敗をしてしまうことがあ
     ります。もし失敗をしてしまったら、そのまま放置しないで、でき
     るだけ早く「あるべき状態」に戻してくださいネ。
     そうしないと制度が壊れてしまうことがありますヨ。

     【参考】昇給・ベースアップ関連ページ
         昇給/等級
         ベースアップ・ダウン/配分計算
         ベースアップ・ダウン/配分計算/決定
         シャチョーさんとカチョーさんシリーズ 第32〜34話


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃ベースアップのやり方
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 前回は、昇給とースアップのお話をしましたが少々消化不良の内容でしたね。
 本日は、ベースアップのやり方について、もう少し見てみましょう。

 昇給とベースアップの違いは(前回で)わかりました。
 それではベースアップにはどのような方法があるのでしょうか。

 (-.-)y- ベースアップは賃金水準を上げることです。
     だから昇給とは分けて考えなければいけないんですよ。

 (*^_^*) そんなこと、わかってますよぉ。 
     新卒者の初任給で見れば一目瞭然ですからね。

 (*^・^) どうして一目瞭然なの?

 (*^_^*) 新卒者の初任給が上がるのはベースアップ分だけだからな。
     だけど、ボク達の給料は、上がった分に昇給とベースアップの両方
     が含まれているんだ。     

 (*^・^) 去年の高卒者の初任給は170,000円、今年は172,000円だから2,000
     円のUPだわ。これがベースアップ分なのね。

 (*^_^*) そうだよ。
     ヒョウカさんの給料はいくら上がった?

 (*^・^) 7,000円よ。
     ベースアップ分が2,000円だから、昇給が5,000円ということね。

 (*^_^*) ファイナルアンサー?

 (*^・^) [う"、そういわれると]
     ふぁ、ファイナルアンサー、かな。

 (*^_^*) 正解!

 (-.-)y- チョットまってくださ〜い。
     チンギン君とヒョウカさんに質問します。
     能力給や年齢給のベースアップにはどんな方法がありましたっけ?

 (*^_^*) う〜ん、なんか計算して求めたような気がするぞ。

 (*^・^) たしか、いくつかの方法があって、その中から選んだわよ。

 (*^_^*) そうだ!
     「定額」と「定率」というのがあるんだ。

 (*^・^) それと、定額と定率をミックスさせる方法もあったわね。
     今年は、このミックスさせる方法でベースアップしたんだわ。

 (-.-)y- そうですね。
     ベースアップには「定額」「定率」「定額と定率のミックス」とい
     う3つの方法があります。

 (*^_^*) どの方法も、最初に予算を決めるのですよね?

 (-.-)y- はい、昇給を先に行いますから、その残りをベースアップの予算に
     まわして賃金表を書き替えてみましょう。

     最低金額を★、最高金額を☆とすると、こんな感じです。
     
     ベースアップ前
     ★□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□☆
     
     定額でベースアップ
     □□□□★□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□☆

     定率でベースアップ
     □□★□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□☆

     定額・定率をミックスしてベースアップ
     □□□★□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□☆

     定額・定率をミックスしてベースアップ(定額をマイナスに設定)
     □★□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□☆

 (*^・^) [私は★より少し右側の□ね]
     なんとなく分かったわ。
     私の上がったお給料7,000円のうち、昇給分は5,000円もないと思う。

 (*^_^*) どうして?

 (*^・^) だって、高卒者の初任給が2,000円UPでしょ。
     ベースアップを「定額」で行えば、私も2,000円UPなんだけど、
     ミックスさせる方法だと、ベースアップ分がもっと多くなるばずよ。

 (-.-)y- こんどは正解!ですね。
     最低金額★と最高金額☆の位置に着目してください。
     若年者の給料を高くしたいときは「定額」、高給の者の給料をより
     多くしたいときは「定率」や「定額がマイナスのミックス」という
     方法でベースアップを行います。
     
 (*^・^) 私は「定額」を希望するわ。

 (*^_^*) ボクは「定率がマイナスのミックス」なんてのがいいと思う。


 自分達が得をすることしか考えていないチンギン君とヒョウカさん。 
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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【オマケ】

 (-.-)y- ベースアップを毎年「定額」で行うと賃金カーブは緩くなっていき
     ます。なぜなら、最低金額★と最高金額☆の格差が少なくなってい
     くからです。
     ○現在の賃金:最低170000円(34%)、最高500000円(100%)
     ○10年後賃金:最低270000円(45%)、最高600000円(100%)
     毎年「定率」で行えば、10年後も34%〜100%で変わらず。
     毎年「定額がマイナスのミックス」で行うと格差が拡大します。


     【参考】ベースアップ関連ページ
         ベースアップ・ダウン/配分計算
         ベースアップ・ダウン/配分計算/決定
         3ヶ月で作る!人事制度のツボ 第7回
         シャチョーさんとカチョーさんシリーズ 第32〜34話


     通信講座では、3つの方法でシミュレーションをします。
     【通信講座】ここをクリック
     【同カリキュラム】ここをクリック


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃評価結果の活用
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 (-.-)y- 評価結果は活用しないと意味がありませんよ。

 (*^・^) 活用って?

 (*^_^*) 賞与や昇給の査定に使いましたよ。

 (-.-)y- それだけでは不充分です。
     そもそも評価というものは社員皆が好むものではありません。

 (*^・^) そういえば、そうね。

 (*^_^*) 評価されるのってヤダよな。
     だけど評価しないで賃金が決まってしまうのはもっとヤダし。

 (*^・^) やっぱり賃金を決めるときに使うだけなんだ。

 (-.-)y- ちっがーうっ!
     評価結果は、社員の皆さんに気づきを与えてくれます。
     自分で気づかない人でも、上司からフィードバックしてあげれば自
     分の得意な部分や足りない部分が分かりますよね。

 (*^・^) 私もフィードバックが欲しいわ。     

 (*^_^*) どうして?

 (*^・^) 自分を高めるためよ。
     そうすれば、もっともっと仕事が面白くなるもん。

 (*^_^*) ボクはどっちでもいいや。

 (*^・^) 今度は私から聞くけど・・・どうして?

 (*^_^*) ボクがベンチマークだからさ。

 (*^・^) [一番フィードバックが必要なのはチンギン君みたいね]
     ずいぶん強気ねぇ。

 (-.-)y- まあまあ、お二人さん。
     評価結果は、業績を向上させるために何を改善すれば、あるいはど
     んな行動をとれば良いかを示唆してくれるデータなのですよ。

 (*^・^) なーるほど。このデータを賞与や昇給の査定だけに使うのは、何と
     ももったいないですよねーーー。

 (*^_^*) 会社全体の業績は、個々の社員の業績を積上げたものと考えると、
     個々の業績が高まれば会社全体の業績も上がるってわけか。
     具体的にどんなデータを見ていけば良いのだろう

 (-.-)y- まず、半期ごとの評価結果を3つの方法で見てみましょう。

     ●被評価者を評価した者のデータをチェック
      (例:「自己評価」と「評価者の平均点」

     ●被評価者と同一評価シートの社員の比較データをチェック
      (例:「本人」と「同僚の平均点」

     ●被評価者の今回評価と過去評価の比較データをチェック
      (例:「後期評価」と「前期評価」

 (*^・^) いろいろな方法があるのですね。

 (*^_^*) 口で言われるより、データで示してもらえるといいよな。
     
 (-.-)y- そうですね。データで示せば一目瞭然でわかりますものね。
     多面評価を採用していたり、人数が少なくて同僚との比較ができな
     いような場合もありますので、どのような比較データを活用するか
     は会社によって異なりますよ。
     
 (*^_^*) 評価結果には、他にも何か活用方法があるのですか?

 (-.-)y- えーと、昇進や配転などは適任者を選ぶ必要がありますよね。
     それは、評価結果のデータを特定の評価項目について時系列で見て
     いくと良いと思います。
     管理者に向いている人などをデータから判断することができますよ。
     → ここをクリック

 (*^_^*) そっかぁ、仕事はバリバリにできても管理者には向いてない人もい
     ますからね。あとは適材適所もわかるのですね。

 (-.-)y- はい。
     しかし、業務査定用の評価シートでは(設計方法にもよりますが)
     そこまではわからない場合もあります。
     そんなときは、適性を把握するための別シートを用意しておくと良
     いでしょう。

 (*^・^) 総務のAさんなんか営業向きだと思うけどなぁ。
     口は上手いけど、コツコツやる仕事は向いてなさそうだもん。

 (*^_^*) たしかにAさんは口だけは達者だよなー。

 (*^・^) キャハハーッ、チンギン君と同じねっ。


 評価制度の奥深さを知ったチンギン君とヒョウカさん。
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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【オマケ】

 (-.-)y- 管理職候補のBさんは、仕事はよくできるけどマネジメント能力や
     決断力に欠けます。Bさんが管理職になるためには、この2つの評
     価を上げなければなりません。
     単に総合評価がよいからといってBさんを管理職に抜擢してしまう
     と大変です。もっと適任者がいなかったのかと後で後悔することに
     なります。また、本人にとっても、管理職としての仕事の壁に当た
     ってもがき苦しむことになります。
     もしBさんの管理職としての適性に?が付くなら、エキスパート社
     員として高く処遇できる仕組みがあるといいですね。
     等級制度を導入する場合は、是非このようなコトも検討してみてく
     ださい。


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃人事制度コンサル1
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 いよいよ「人事のソナタ」のエンディングです。
 第48話〜第50話は、チンギン君とヒョウカさんが他社のコンサルティングに
 挑戦します。実話をアレンジしていますので、コンサル現場の様子を垣間見
 ることができますヨ。はてさて、二人の結末はどうなることやら。。。

 (-.-)y- お二人とも人事制度のことは一通りご理解いただけたかと思います。

 (*^・^) もう完璧よ。

 (*^_^*) ボク達はすでにプロコンサルタントの域に達しているだらう。
     なんちって(古っ)。

 (-.-)y- ほう、それでは他社のコンサルティングをやってみますか?

 (*^・^) えっ?

 (*^_^*) えっ、えっ?

 (-.-)y- えっ、えっ、えーっ?
     そんなに驚かないでくださいよ。
     シャチョーさんから、お二人はこんなに多くの経験を積んだのだか
     ら他社のコンサルもやらせてみてよ、と頼まれたのですよ。

 (*^・^) ムリムリムリーッ。

 (*^_^*) 相手から「うちの会社はモルモットじゃないゾ」って怒られちゃい
     ますよ。

 (-.-)y- 大丈夫、私のアシスタントとして同行していただきます。
     最後の訪問は泊り込みになりますが、きっと素晴らしい体験ができ
     ますよ。

 (*^_^*) [へんな期待をしてしまって良いのだろうか]
     エヘヘ〜。

 (*^・^) [素晴らしい体験って、どういう意味かしら]
     なにニヤニヤしてんのよ!

 (-.-)y- クライアントのA社は、大手企業の子会社で、業種は製造業です。
     社員数は70人ほどですが、本社からの出向社員が多く、東大を出
     ている社員もいたりして、それなりにプライドの高い社員が多いか
     ら、そのつもりでね。

 (*^_^*) げっ、ボクは高専しか出てねーぞ。

 (*^・^) 私なんて専門学校卒よ。バカにされたら嫌だわ。

 (-.-)y- そんなことは気にする必要なんてありませんよ。
     学歴が仕事をするわけではないんだから。     
     さて、行きましょうか!

 (*^・^) なかなか着かないわねぇ。もう2時間も経ったわよ。

 (-.-)y- A社は、ある地方都市の工業団地内にあり、片道4時間近くかかり
     ます。午後2時の約束ですから、途中で昼食にしましょう。

 (*^・^) [げっ、それじゃあ帰りは夜ね。残業つけてもらおっと]
     は〜い。

 ------- やっと会社に着きました。
 ------- 最初は取締役総務部長との面談です。
 ------- 現在の人事制度は親会社のものを流用しています。
 ------- 10人ほど管理職がいますが、その大半は本社からの出向社員です。
 ------- 会社の概要をパンフや書類でチェックして、次に現場(社内)確認
 ------- を行いました。      

 (*^・^) ヘルメットかぶるのヤダなぁ。セットが乱れちゃうわ。

 (*^_^*) しようがねーだろ。
     万が一、事故が起こったら会社に迷惑をかけちゃうからな。

 (-.-)y- そうですよ。
     A社のように危険な現場では、ヘルメットの着用義務があります。
     それを怠ったら、人事評価にも影響してきますね。

 (*^・^) へぇ〜、そうなんだぁ。
     ヘルメット着用なんて仕事の能率とかには関係なさそうだから、そ
     んなこと気にとめてなかったわ。

 (-.-)y- 以前、食品工場へ行ったことがありますが、そこでは作業着はもち
     ろんのこと、帽子やマスクの着用義務がありました。

 (*^・^) どうしてですか?

 (-.-)y- それは食品を扱っているため、衛生面を考えてのことです。
     工場内に入るときは、ちゃんと消毒してからでないと入れないので
     すよ。

 (*^・^) なるほどー。

 (-.-)y- 人事制度を作るには、会社の仕事概要を把握しておかなければなり
     ません。絵に描いた餅になってしまったら困りますからね。

 (*^_^*) A社は大手企業の子会社だから、ボク達の会社(オーナー会社)と
     は考え方を変えないといけないな。

 (-.-)y- そうとも言えませんよ。
     さきほど現場を回っているとき、総務部長さんに尋ねてみたのです。

 (*^_^*) 何て尋ねたのですか?

 (-.-)y- 「御社では大企業の人事制度を作りたいのですか?それとも身の丈
     に合った中小企業の人事制度を作りたいのですか?」ってね。

 (*^_^*) そうしたら?

 (-.-)y- もちろん中小企業の人事制度を作りたいと言っていましたよ。
     これからは、プロパーの社員がもっと上にあがれるような仕組みを
     作っていきたいそうです。

 (*^・^) それなら、今まで私達が経験してきたことが活かせるかもしれない。

 (-.-)y- そうですね。
     次回までに診断報告書をまとめなければなりません。
     お二人とも頑張ってくださいね。


 チンギン君とヒョウカさんの初体験?はまだまだ続きます。
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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【オマケ】

 (-.-)y- 以前、メルマガにこんなことを書いています。
     こちらも参考にしてください。

     【参考】企業調査


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┃◆┃人事制度コンサル2
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 (-.-)y- 診断報告書は進んでいますか?

 (*^・^) はい。[よくわかんないけど・・・]

 (*^_^*) コンサルタント・エックスさんに言われたように進めてきましたけ
     ど、いくつか気になるコトがあります。

 (-.-)y- ほう、どんなコトですか?

 (*^_^*) A社には、30代前半〜40代前半の社員がとても少ないのです。

 (-.-)y- なぜだか調べてみましたか?

 (*^_^*) 1980年代前半〜1990年代前半の約10年間に入社した社員が1人もい
     ません。どうしてだろう。

 (-.-)y- おそらく、バブル時代に採用できなかったのでしょう。
     プロット図を見せてください。

 (*^・^) あっ、プロット図は私が作りました。
     こ〜んな感じです。

      ┃ 
     金┃                     ■■■
     額┃                  ■ ■■
      ┃                  ■■
      ┃               ■ ■■■ ■  ■
      ┃                 ■  ■
      ┃                ■■ ■  ■
      ┃                 ■■■ ■
      ┃                      ■
      ┃      ■■   ■       ■   ■
      ┃    ■■■■■    ■          
      ┃  ■■■ ■
      ┃■■ 
      ┃
      ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                               年齢

 (-.-)y- なるほど、若年者と高齢者の2つの島に分かれていますね。

 (*^_^*) そういえば、総務部長さんは、今の人事制度では若い社員がなかな
     か上に上がれないと言ってましたよね。

 (-.-)y- ええ、A社の現状人事制度では40歳代半ばにならないと役職者に上
     がることができないそうです。

 (*^・^) ベテランの一般社員が少ないけど、仕事の割当はどうやってるのか
     しら。

 (-.-)y- 中間層が居ないため、若年者にも重要な仕事を任せているようです。
     20代の社員の中にかなり優秀な社員がおり、彼等を早く昇格させる
     仕組みが急務になっています。

 (*^_^*) いろいろと検討課題が見えてきましたね。

 (-.-)y- それでは、これら課題の重要性・緊急性や困難度を判定するための
     シートを作り、先方との打合せで確認してもらいましょう。

 (*^・^) そこで決まったことをベースに、次のステップ(人事制度の設計)
     に移るのですね。

 (-.-)y- そうですが、抽出した課題だけポーンと投げかけても相手は困って
     しまいますよ。

 (*^_^*) その場で結論を出せないと、ずるずると検討が長引いてしまいます
     ね。だけど、コンサル料が追加になって得しちゃうかな。

 (-.-)y- いや、それは避けたいですね。
     なぜなら、私達もその間は「待機期間」になってしまいます。
     予定が遅れると別の仕事のスケジュールに支障がでてきますから。

 (*^_^*) それに、その間はいろいろと電話やメールの相談もあったりして。
     わーーー、大変だぁ。

 (*^・^) なら、どうしたらいいのかしら。

 (-.-)y- 人事制度見直しに関する提案書を作りましょう。

 (*^・^) えーっ!?
     A社の支援は、提案型の人事制度ではないってコンサルタント・エ
     ックスさんが言ったのですよ。それをいまさら。

 (*^_^*) ちっ、設計方法は最初から決めてたってわけか。
     ボク達の今までの努力はなんだったんだ。

 (-.-)y- やだなぁ、勘違いしないでくださいよ。
     A社の意思決定を手助けするための提案書を作成するのです。
     診断結果・検討課題は分かっていますから、それに基づいて人事制
     度見直しに関する提案書を作ります。

 (*^・^) な〜んだ、そういうコトでしたか。

 (*^_^*) よーし!A社に1つ返事で「それで行こう」と言ってもらえるよう
     な提案をするぞーーー。

 
 提案書にもいろいろありますね。
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃人事制度コンサル3
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 (-.-)y- さあ、今日は先方で一泊しますよ。
     用意してきましたか?

 (*^・^) はい。[ちゃんと勝負下着を入れてきたわ]

 (*^_^*) はい。[ちゃんと○○も入れてきたゾ]

 (-.-)y- お2人ともニヤニヤしてるけど、何を考えてるのかなー。
     
 ------- 会社に着きました。
 ------- 今日は役員さん達全員が集まっての検討会議です。
 ------- 診断報告書をもとに議論を経て、いよいよ提案書の出番です。
     
     ※賃金診断の内容は、下記ページが参考になります。
      → ここをクリック

 (-.-)y- さて、チンギン君から提案書の説明をしてください。

 (*^_^*) えーと、僕はコンサルタント・エックスさんのパシリでチンギンと
     申します。

 (*^・^) [完全にあがってるわね]
     違うでしょ!
     パシリじゃなくてアシスタントだよ。

 (*^_^*) あっ、すいません。アシスタントのチンギンです。
     これから御社の人事制度見直しに関する提案をさせていただきます。

     賃金制度や人事評価制度なども大切ですが、これからお話すること
     は、まず最初に考えを固めておくべき事項となります。
     新制度の骨格となる部分です。
 
     ◆等級数 ○〜△
      昇格に刺激を与え、かつ、運用面で複雑にならない最適な等級数
      と考えます。これがすべての出発点となります。

     ◆昇格条件の考え方を変える
      現状人事制度では、各等級内の上限にいって初めて昇格となりま
      すが、新しい人事制度ではもっと早めに昇格できる仕組みが必要
      です。若手優秀社員の抜擢が可能となる仕組みにしたいですね。

     ◆その他・・・・・。

 ------- 提案書の内容について検討が始まりました。
 ------- さて、ここで決定した内容をもとに基本構想を作る作業に入ります。
 ------- 会議を終えて、3人は会社を後にしました。

 (-.-)y- 食事でもしながら、我々の打ち合せをしましょう。 

 (*^_^*) はい。
     一杯やりながらってのはどうですか?

 (-.-)y- ダメですよ。
     これから宿に戻って仕事ですから。

 (*^_^*) えー!

 (*^・^) まだ仕事するんですかぁ。
     持ち帰りにしましょうよ。

 (-.-)y- ダメですよ。
     A社の仕事は、明日で終了です。

 (*^_^*) だから今日は宿泊するのか。
     でも、ずいぶんと中途半端な仕事ですね。

 (-.-)y- 人事制度の設計は、取締役の□□さんが自ら行うそうです。
     我々は、外部専門家の目で客観的に診断して、設計方針を決定する
     までのお手伝いなのですよ。

 (*^・^) 明日が最終打ち合せだから、それに間に合うように基本構想をまと
     めるのね。

 (-.-)y- はい、それはチンギン君にお願いします。

     ※基本構想の内容は、下記ページが参考になります。
      → ここをクリック

 (*^・^) 私は何をしたらいいの?

 (-.-)y- ヒョウカさんにも何か仕事をしてもらわないとね。
     明日で最後だから、オマケして社員向けに「新制度導入に向けて」
     という文書を作ってあげましょうか。

 ------- けっきょくチンギン君もヒョウカさんも明け方まで仕事をしていて
 ------- 勝負下着どころではなかったみたいです。
 ------- 翌日、A社ではチンギン君が作った「基本構想」とヒョウカさんが
 ------- 作った「社員向文書」にいたく感激した様子でした。

 (*^・^) 今回の仕事は良い経験になったわね。

 (*^_^*) 心残りはあるけどね。

 (*^・^) うん。

 
 人事のソナタは、今回をもって終了します。
 しかし、2人の物語にはまだまだ先があるのですよ。

 それから5年後、コンサルタント・エックスさんのもとに1通の招待状が届
 いたそうです。

 差出人は・・・チンギン君&ヒョウカさん


               --- 完 ---


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