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じんじ屋エールは自由設計が基本コンセプト。

じんじ屋エール

since1995

人事のソナタ 31-40

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 (*^_^*) チンギン君 
 (*^・^) ヒョウカさん
 (.^◇^) シャチョーさん[特別出演]
 ( ^◇^) 前作のシャチョーさん[友情出演]
 (-.-)y- コンサルタント・エックス
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−目次−

第31話 評価要素ウエイト
第32話 評価要素ウエイトの裏ワザ
第33話 評価者ウエイト
第34話 継続雇用制度
第35話 テスト評価
第36話 運用が大切(賃金編)
第37話 運用が大切(評価編)
第38話 目標設定
第39話 蜘蛛の糸
第40話 評価者訓練


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃評価要素ウエイト
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 以前、社員の皆さんに参画してもらって「評価要素」を選定しましたね。
 今日は評価制度に話を戻してみましょう。

 (*^_^*) よくさぁ、評価要素の選定が済んだら評価制度は完了したと勘違い
     するヤツがいるんだよな。

 (*^・^) えっ、評価要素が決まれば評価シートを作れちゃうわよ。

 (*^_^*) [ヒョウカさん、お前もか]
     ハァ〜、ボクはシーザーになった気分だよ。

 (*^・^) 人間じゃないんだ。

 (*^_^*) それはシーサー(魔よけの獅子)だろ!
     評価制度を動かすためには評価シートのカタチだけ作ってもダメな
     んだ。その他にもいろいろと定めておくコトがあるんだよ。
     まず、評価要素ウエイトが必要だな。

 (*^・^) 評価要素ウエイト?

 (*^_^*) うん、評価要素の中には特別重要なものがある。
     全社員共通の評価要素だって、階層や職種によって重要度が違った
     りするよね。
     それによって評価点の計算をするときのウエイトを変えるんだよ。

 (*^・^) な〜るほど。

 (*^_^*) 一般的には、評価要素の似た物同士をまとめて評価要素グループを
     作り、そのグループ毎にウエイト設定をするんだ。     

             成績 情意 能力
      1〜2等級  20  60  20
      3〜4等級  40  30  30
      5〜6等級  60  20  20

 (*^・^) そのあと、こんな風に評価要素ウエイトを設定するのね。

     【3〜4等級:情意:ウエイト30】  
      積極性  規律性  協調性  ・・・  ・・・  計  
        5    5    10            30  

 (*^_^*) ピンポ〜ン!
     でも評価要素ウエイトの設定はこれで終りじゃないぞ。
     
 (*^・^) まだ何かあるの?

 (*^_^*) 賞与や昇給などの評価目的によって評価要素グループのウエイトを
     変えるんだ。

 (*^・^) どうして?

 (*^_^*) 賞与は、1回の支給で清算する性格のものだから、成果を大きく反
     映することができる。でも、昇給や昇格もとことん成果重視という
     のはあまり感心しないな。

 (*^・^) ってコンサルタント・エックスさんが言ってたのね。

 (*^_^*) うっ、うん。
     昇給や昇格は運にまかせて一発勝負ってワケにはいかないってさ。
     「将来の成果」を期待できる社員に良い評価を与えるんだそうだ。

 (*^・^) [ダメな人、急にトーンが落ちたわ]
     だから、昇給や昇格は、成果を上げるためのプロセスである情意評
     価や能力評価の重要性が高いってことね。

 (*^_^*) そういうこと、かな。


 「知ったかチンギン君」の株は大暴落となりました。
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。
 
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【オマケ】

 (-.-)y- 評価シートの数は、できるだけ少なくしたい。
     しかし、目標管理制度を導入したりすると、そうもいかない状況に
     陥ることがあります。極端なケースでは全員別々の評価シートが必
     要になることも。。。
     評価シートがバラバラでは、運用するうえでデータ比較をしたり、
     調整作業を行うときに困ってしまいますね。

     さて、次週はその問題を解決する「裏ワザ」を披露しましょう。


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃評価要素ウエイトの裏ワザ
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 (-.-)y- 今日はヒョウカさんが有給休暇でお休みですね。
     2人で頑張りましょう。

 (*^_^*) はい。

 (-.-)y- 評価シートの数は、できるだけ少なくしたいですよね。
     しかし、目標管理制度を導入したりすると、そうもいかない状況に
     陥ることがあります。極端なケースでは全員別々の評価シートが必
     要になることも。。。

 (*^_^*) 評価シートがバラバラでは、運用するうえでデータ比較をしたり、
     調整作業を行うときに困ってしまいますね。

 (-.-)y- ええ、例えば、こんな条件の場合ですね。
     ・社員は複数の目標を設定できる
     ・目標の数は、社員によって異なる
     ・各目標のウエイトは、個人別に設定できる

 (*^_^*) この条件で評価シートを作るとなると、すべての社員に別々の評価
     シートが必要になるのかなぁ。

 (-.-)y- そうですね。特にコンピュータ管理上はそうなります。
     これでは運用に支障をきたしてしまいますね。
     そこで、・・・あっ、ちょっと禁断症状が。
     一服させてくださーい。

 (*^_^*) [話始める前に一服しとけよ!]
     ボクも付き合いますよ。

     ------ 社内の喫煙スペースも撤去されたため、2人で外へ ------

 (-.-)y- ハハハ、2人とも病気ですね。

     まず、各評価シートに対応する社員の「目標の合計ウエイト」が同
     じであることを前提とします(普通は合計ウエイトは同じ)。

     例)営業職4〜5級用評価シート[目標の合計ウエイト(30)]
     甲さん 目標○○(15) 目標××( 5) 目標△△(10)
     乙さん 目標○○(20) 目標××(10) 目標△△(−)
     丙さん 目標○○(10) 目標××(15) 目標△△( 5)

     これを1つの評価シートにしてみましょう。
     もちろんコンピュータ管理上も1つでね。

 (*^_^*) 目標の数も違えば、ウエイトもバラバラですね。
     これで一体どうやって1つの評価シートにまとめるのですか?

 (-.-)y- このようなケースでは、評価シートの目標数を6つにして、名称と
     ウエイトを次のように設定します。
     目標1----(5)
     目標2----(5)
     目標3----(5)
     目標4----(5)
     目標5----(5)
     目標6----(5)

 (*^_^*) たしかに目標の合計ウエイトは30で揃いますけど。
     う〜ん、意味わかんないです。

 (-.-)y- ようするに、こういうことです。
     甲さんの目標○○は、目標1〜3までとなりますから、評価結果がA
     ならば目標1〜3はすべてAとなります。
     同様に目標××は目標4、目標△△は目標5〜6に対応します。
     目標1----A評価
     目標2----A評価
     目標3----A評価
     目標4----C評価
     目標5----B評価
     目標6----B評価

 (*^_^*) あっ、なーるほど。

 (-.-)y- 乙さんの目標○○は目標1〜4まで、目標××は目標5〜6となり、目
     標△△はありません。
     もちろん、設定目標の数がもっと多くてもかまいませんし、シート
     に設定するウエイトが細かくてもかまいません。
     どうでしょうか?

 (*^_^*) ほぅ〜、すげーな。
     こりゃあムリだと思えるコトでも、発想を変えれば解決策が見つか
     るものですね。
     これって裏ワザですよね!

     ------ 突然、元気な声が ------     

 (*^・^) こんにちはー。
     近くまで買物に来たのでケーキ買ってきたわよ。
     一緒にお茶しましょ!


 じんじ屋エールでは、複数評価者のウエイト調整や甘辛・バラツキの調整を
 評価要素グループ(成績や情意などをグループと呼んでいます)毎に行うの
 で、この調整機能も問題なく活用できます。

 なお、評価結果入力の項目数が増えるため、入力の手間が少し増えるという
 欠点がありますが、運用の幅を狭めないメリットの方が遥かに大きいですよ。

 評価結果グラフや評価要素別エラーチェック表で確認する際には注意が必要
 です。比較データ等は一部意味をなさないこともあります。
 実際にお試しください。


 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃評価者ウエイト
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 チンギン君が3ヶ月の研修を終えて戻ってきました。
 さて、どれくらいの実力がついたのでしょうね。 

 (*^・^) なんか久しぶりね。

 (*^_^*) そんだな、3ヶ月ぶりかな。
     ヒョウカさん、しばらく見ないうちにキレイになったね。

 (*^・^) [お世辞は上達したわね]
     チンギン君も凛々しくなったみたい。
     おつとめご苦労様でした。

 (*^_^*) 研修行ってたんだってば。
     さて、今日は評価者ウエイトを決めようぜ。

 (*^・^) チンギン君が研修に行く前に「評価者ウエイト」やったわよ。
     また同じテーマなの?

 (*^_^*) ばっかだなぁ。
     前にやったのは「評価要素ウエイト」だろ。

 (*^・^) どう違うの?

 (*^_^*) 評価要素ウエイトは、評価要素の重要度に応じてウエイトを定めて
     合計が100になるようにしただろ。

 (*^・^) うん。

 (*^_^*) 評価者ウエイトは、評価者に対して定めるウエイトだよ。
     ヒョウカさんの評価者って誰になると思う?

 (*^・^) 課長と部長の2人でしょ。

 (*^_^*) そうすると、課長が1次評価者で、部長が2次評価者ってわけだ。
     2人が評価した点数は、どのように調整しようか。

 (*^・^) 両方50ずつで合計100!

 (*^_^*) そういう考え方もあるな。

 (*^・^) なによぅ、それじゃあイケナイっていうの?

 (*^_^*) いいよ。
     でもさ、評価要素っていろいろあるだろ。
     どんな分類で決めたっけ?

 (*^・^) えーと、ごくごく一般的な成果・勤務態度・能力の3つだったわ。

 (*^_^*) そう、その3つにグルーピングしたよね。
     仕事の成果は、課長と部長のどっちが正しく評価できると思う?

 (*^・^) それは課長でしょう。
     直属の上司の方が、いつも近くで見ていられるもん。

 (*^_^*) それじゃあ勤務態度は?

 (*^・^) う〜ん、それも課長かなぁ。

 (*^_^*) どうして?

 (*^・^) 同じ理由よ。

 (*^_^*) そういう考え方もできるね。
     だけど逆に部長の方が正しく評価できるという見方もあるんだ。

 (*^・^) えっ、どうして?

 (*^_^*) これは評価者エラーとも関係が深いことなんだ。
     課長はいつも部下と接触しているだろ。
     すると評価が甘くなったり、ある行動をもとに過大評価をしたりす
     ることがある。もちろん逆もあるよ。

 (*^・^) 木を見て森を見ずってことね。

 (*^_^*) そう、だから遠目で観察できる部長の方が適切な評価をしやすいと
     も言えるんだよ。

 (*^・^) ということは、評価者ウエイトは・・・。

 (*^_^*) うん、成果は課長のウエイトを多めにして、勤務態度は部長のウエ
     イトを多めに設定するってこと。

 (-.-)y- ちょっとぅ、お2人さん、私もまぜてくださいよ。  

 (*^・^) [はっきりいってジャマね]
     どうぞ、どうぞ。

 (*^_^*) [オッサンの出番じゃねーよ]
     ボク説明がヘタだから、少し補足していただけると助かりますよ。

 (-.-)y- オジャマ虫だったかな。
     私もチンギン君が言うように、評価要素グループによって評価者の
     ウエイトを変えることも検討すべきだと思います。

 (*^・^) でも評価者エラーを防止すれば済むことじゃありません?
     定期的に評価者訓練を行うとか。

 (-.-)y- 評価者訓練をしたり評価者エラーチェックをしても、残念ながら評
     価者エラーを完全になくすことは難しいですね。
     だからといって評価者訓練をしてもムダということではありません。
     評価者エラーについては、制度を運用するときにタップリと説明し
     たいと思います。
     
     【参考】シャチョーさんカチョーさんシリーズ 第24〜27話

     それと、評価者ウエイトは合計を100にする必要はありません。
     1:2とか2:3のように比率が分かる数字で表わせば良いのです。

     【参考】評価者ウエイトの設定一覧表

     それでは、今日はこの辺で!     

 (*^・^) [あらあら、話をまとめちゃったわ]
     楽しみにしてま〜す。

 (*^_^*) [チョットだけ補足じゃなかったのかよ!]
     お疲れ様でしたー。
     

 見違えるほど成長して帰ってきたチンギン君。ポイント高そうですね。
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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【オマケ】

 (-.-)y- 多面評価を導入する場合、上司の評価以外に同僚や部下の評価が入
     ってきます。評価者ウエイトはどんな設定にしたらいいでしょう。  
     設定方法は、企業によってマチマチです。
     ・同僚や部下のウエイトも上司と同等として評価点の計算に含める
     ・同僚や部下のウエイト小さく設定して評価点の計算に含める
     ・同僚や部下の評価は参考程度として評価点に反映させない


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┃◆┃継続雇用制度
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 先週、チンギン君が3ヶ月の研修を終えて戻ってきました。
 成長したチンギン君の活躍をご覧ください。 

 (*^・^) ねえチンギン君、3ヶ月もの間どんな研修してたの?

 (*^_^*) 通信講座のプログラム をメーンにイロイロなことをやったよ。
     そうそう、最後に「継続雇用制度」の設計方法も習得したぞ。 

 (*^・^) すっご〜い!
     で、継続雇用制度って何?

 (*^_^*) [褒められた気がしねーな]
     いま会社の定年は60歳だけど、平成25年を期限に65歳まで継続雇用
     することが法律で義務化されたんだ。
     それに対応するための制度だよ。     

 (*^・^) まだ先があるじゃない。

 (*^_^*) いや、法律で定める最低年齢が平成18年度から変わるんだ。
     それが段階的に上がって、最終的に65歳まで雇用義務化になるわけ。
     だから、あと数ヶ月で人事制度に組み込まなきゃならねーんだよ。

 (*^・^) あらあら、大変ねぇ。

 (*^_^*) [ヒトゴトみたいに言うなよ!]
     継続雇用の方法はいくつかあってさ。
     方法によっては助成金がもらえることもあるんだゾ。

 (*^・^) へぇ〜、どんな場合?

 (*^_^*) 定年延長をしたり、定年そのものをなくしちゃったり。
     それと定年は60歳のままで、希望者全員を継続雇用してもいいし。

 (*^・^) それじゃあ私達の会社も助成金をもらうんだね。

 (*^_^*) もらわねーな。たぶん。

 (*^・^) えーっ、新しく人を雇わなくて済めば採用コストがかからないし。
     それにベテラン社員なら安心して仕事を任せられるし。
     しかも助成金までもらえちゃうんでしょ。
     メリット多いと思うけどなぁ。

 (*^_^*) 社長は「若年者の補強は絶対に必要」と言ってたゾ。
     将来を見据えた人員構成が大切なんだそうだ。

 (*^・^) ふ〜ん。

 (*^_^*) 全員を65歳まで継続雇用するって決めちゃったら、なかなか元には
     戻せないんだ。不利益変更になるからダメなんだってさ。
     そうですよね、コンサルタント・エックスさん。          

 (-.-)y- はい。
     私も助成金欲しさに制度設計をするのはいかがなものかと思ってい
     る一人なんですよ。
     国は、助成金というアメを用意することで制度の早期普及を図ろう
     としていますが、それに踊らされてはいけませんね。

 (*^_^*) だからさ、第一候補としては「再雇用制度」の導入を検討しようと
     考えているんだ。それも希望者の中からあらかじめ定めた基準をク
     リアした社員だけを継続雇用する仕組みをね。

 (*^・^) どんな基準?

 (*^_^*) 例えば「前年の評価が普通以上の者」なんてどうかな。

 (*^・^) えーと、SABCDの5段階評価の場合はSABまでの人が基準を
     クリアするわけね。なら総務課長はムリね。カワイソウね。

 (*^_^*) なーにブツブツ言ってんだよー。

 (*^・^) あっ、気にしないで。
     あとはどんな基準が考えられる?

 (*^_^*) う〜ん、健康診断の結果も無視できねーな。
     それと、我が社は建設業だから「1級建築士」や「1級土木施工管
     理技師」の有資格者は優遇できそうだね。

 (*^・^) 私は簿記3級持ってるぅ。
     40年後の私は優遇されるかしら。

 (*^_^*) [ムリだろうな]
     建設業簿記1級とかに挑戦してみたら。


 どうやらチンギン君はマジメに研修を受けてきたようですね。
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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【オマケ】

 (-.-)y- 今回取り上げた内容は、平成18年4月から法律で義務化されます。
     あと半年!あまりノンビリ構えているわけにはいきませんね。
     まだ何も手をつけていない企業は、早急に検討を始めてください。

     読者の皆様が経営する(又は勤務する)企業では人事制度を導入し
     ているところが多いと思います。また、この機会に新たに人事制度
     を導入する企業もあるでしょう。
     いずれにしましても自社の人事制度に組み込む形で整合性を考慮し
     た仕組み作りを行ってくださいネ。     

     なお、この継続雇用制度は(おそらく皆様が想像する以上に)複雑
     な問題が絡んできます。この分野を専門とする社会保険労務士や人
     事コンサルタントに相談されると良いでしょう。


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┃◆┃テスト評価
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 (-.-)y- さて、評価シートが出来あがりましたね。
     それでは「テスト評価」をやってみましょうか。

 (*^・^) テスト評価って?
     来月、コンサルタント・エックスさんが参加する「日本スリーデー
     マーチ(歩け歩け国際大会)」にはテストウォークというのがある
     そうだけど、それと何か関係があるのですか?

 (-.-)y- ああ、テストウォークね。
     あれは「障害者の方達と歩くコース」の下見です。
     テスト評価とは関係ないけど、考え方は一緒ですよ。

 (*^_^*) [ウフッ、今日はヒョウカさんミニスカートだ]
     下見かぁ。 

 (*^・^) 下、見ないでよ!

 (-.-)y- お二人はいつも仲がいいですね。

     テストウォークの目的は、特に車椅子の方を意識して、道路に段差
     がないか、急勾配なヶ所がないか、車椅子用のトイレがあるか等を
     確認することです。

     本番で歩き出してからトラブルが起きないように事前にチェックし
     ます。テストウォークによって既定コースを少し変更して、障害者
     の方達が安全に歩ける最良のコース設定を行うわけです。

 (*^_^*) それをテスト評価に置き換えると? 

 (-.-)y- テスト評価は、今回作成した評価シートにどこかオカシイ部分がな
     いかを検証することです。

     制度導入前に各社員の得点をチェックします。
     評価シート毎にシミュレーション(テスト評価)を行い、現状の評
     価要素や評価要素ウエイトでどのような得点になるのか確認してみ
     ましょう。

 (*^・^) 総合点で判断すればいいのかしら?

 (*^_^*) それは違うだろ。
     テストウォークだって既定コースを少し変更してコースの見なおし
     をするんだから。細かいところも見ていかなきゃ。 

     試しに「Aさん」と「Bさん」のテスト評価をしてみようぜ。

 (*^・^) 総合点はAさんが70点、Bさんは65点になったわ。

 (*^_^*) ボクがやってもそんなもんだな。

 (*^・^) でもね、誰がみてもBさんの方が貢献度高いと思うわ。

 (*^_^*) だから総合点だけでチェックできねーってこと。 
     そうですよね、コンサルタント・エックスさん。

 (-.-)y- はい、総合点だけではなく、各人の評価要素別点数や評価要素ウエ
     イトを表にすると細かい設定内容の確認ができます。

     【参考】ここをクリック

 (*^・^) それを元に評価シートを手直しするのね。

 (-.-)y- そうです。必要ならね。
     この段階で評価する人間がミスをしたら防ぎようがありませんけど、
     チンギン君とヒョウカさんの2人が「Bさんの方が上」と思うなら
     間違いないでしょう。←[ホントはちょっと心配]
   
 (*^_^*) テスト評価は、社長にも参加してもらおーぜ。 

 (*^・^) そうね、後で何か言われるのヤダもんね。

 (-.-)y- いっそのこと設計会議のときにやってみたらいかがですか。
     管理職のみなさんにも参加してもらいましょう。

 (*^_^*) そう言えばコンサルタント・エックスさん、日曜日の午前中はテス
     トウォークでしたよね。10km歩いたんでしょ、お疲れ様でした。 

 (-.-)y- アハハ、寝坊しちゃあ行けませんなぁ。


 コンサルタント・エックスさんて、結構いいかげんな人なのですね。
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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【オマケ】

 (-.-)y- テスト評価は、この他にもイロイロと使い道があります。

     中には人事専門家に「お任せ」で設計を委託する企業もあります。
     そのような企業では、いざ運用段階になって「使えませ〜ん」と放
     り投げてしまうケースもあるようです。

     そんなとき事前にテスト評価を行っておけば、評価シートの使いづ
     らい面なども明らかになりますよ。


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃運用が大切(賃金編)
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 さて、人事制度の設計が終り、いよいよ運用に入ります。
 設計会議や説明会の様子は「続3ヶ月で作る!人事制度のツボ」を参考にな
 りますよ。 → ここをクリック

 (*^_^*) 人事制度は運用が大切なんですよね?

 (-.-)y- そうです。
     せっかく作った人事制度も、運用しなければただの飾りです。

 (*^_^*) たしかに。
     で、どんな運用をしていくのですか?

 (-.-)y- まず、不定期で個人別に賃金を決定するケースが考えられます。

     【参考】個人別賃金決定
    
 (*^_^*) 社員が入社したときですね。

 (-.-)y- はい。新卒者や中途採用者の格付基準を定めていれば簡単ですね。
     それと、特定の社員に対して特別に行う時期はずれの昇給も同様の
     処理になります。

 (*^_^*) ふつうは昇給って時期が決まってますよね。

 (-.-)y- ええ、定期昇給は新卒者が入社してくる4月に行っている企業が多
     いです。定期昇給は、対象者をまとめて処理します。

     【参考】賃金改定

 (*^_^*) 昇給とは別にベースアップがありますよね。
     両方とも賃金が上がるんだよなぁ。どう違うんだろ?

 (-.-)y- 昇給とベースアップは全く異なるものです。
     絶対にゴッチャにはしないでくださいね。制度が壊れますから。

     詳しい説明は、また別の機会にしますが、一言でいえば「昇給は書
     き替える前の賃金表で決める」「ベースアップは賃金表の書替その
     もの」ということです。

 (*^_^*) へぇ〜

 (-.-)y- 各企業の事情によっては賃金水準を下げる場合もあります。
     その場合はベースダウンを行います。

 (*^_^*) へぇ〜

 (-.-)y- 「へぇ〜」ばかり言ってるけど、本当に分かってるのですか?

 (*^_^*) いやぁ、実はぜんぜん分かってなかったりして。

 (-.-)y- まあいいです。
     今日は、賃金制度にどんな運用があるのかを、なんとなく分かって
     いただければ十分です。
     
     ベースアップのやり方はイロイロあるので、後でゆっくりと見てい
     きましょうね。

 (*^・^) zzz

 (*^_^*) ヒョウカさん、起きろよ!

 (-.-)y- まあまあ、お疲れのご様子ですから起こさないで。
     私が帰った後でチンギン君から説明してあげてください。

 (*^_^*) [ツーショットで!ちょっと嬉しいかも]
     はーい。

 (-.-)y- それと、賃金設計後に仕組みを少し手直しをしたいことがあります。
     変更することで制度そのものが壊れてしまっては大変ですから、変
     更可能部分を明らかにしておく必要があります。

     【参考】変更設計

 (*^_^*) さっぱり(分からない)ですぅ。

 (-.-)y- 例えば、等級別にに設計した賃金である評価累積型の昇号数、評価
     洗替型の評価段階間ピッチなどは、短期間のうちに変更しても問題
     ありません。
     成果主義や能力主義のもとで、毎年徐々に差を広げていくような場
     合、このように軽微な変更を行うことがあります。

     【参考】ここをクリック
     【参考】ここをクリック

     新賃金導入後1年も経ったら、すぐにまた新しい賃金体系に変えて
     しまうことは好ましくありませんが、微修正を行うことは一向に構
     わないと思います。

     それと手当は補助的な賃金項目ですから、比較的自由に変更してい
     いですよ。

 (*^_^*) よーし、ヒョウカさん、やり方まとめちゃおうぜ。

 (*^・^) zzz

 (*^_^*) コーヒー入れてきてあげよう。


 ヒョウカさんにとって、運用の話は退屈だったようですね。
 一番大切なことなんだけどなぁ。

 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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【オマケ】

 (-.-)y- 人事制度は、設計を終えた時点がゴールではありません。
     運用を開始したときがスタートです。

     埼玉にある○△社は、社員50人ほどの製造業です。
     社員はとても良く働きます。自分で考え行動します。他社が羨むほ
     どです。いったい○△社にはどんな仕組みがあるのでしょうか?

     ○△社の人事制度はとてもオーソドックスです。
     でも、パクリモノではなくオリジナリティーに溢れています。
     そして、肝心の運用は、ほぼ完璧!80点以上です。スバラシイ!
     当たり前のことを当たり前にやっていることがスバラシイ!

     さて、御社では、どのような運用をしたいですか?
     どのようなアウトプットを必要としていますか?
     その答えは、以下のページの『使う』で探してみてください。

     【参考】賃金体系
     【参考】人事評価
     【参考】賞与配分


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃運用が大切(評価編)
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 先週(賃金制度の運用)は居眠りをしてしまったヒョウカさん。
 今週はちゃんと起きていられるかな。

 (*^・^) 評価制度の運用ってどんなことをするの?
     評価シートを使って、課長以上の人達が部下を評価するというイメ
     ージしかわかないわ。

 (*^_^*) 他にもいろいろとあるぞ。

 (*^・^) 賃金制度よりも?

 (*^_^*) うん、評価制度は何人もの評価者が絡んでくるからな。
     皆が同じレベルで評価してくれればいいんだけど、そこが中々難し
     いんだ。

 (*^・^) 中にはデタラメな評価もあったりして。

 (*^_^*) あり得るな。

 (*^・^) えっ!冗談で言っただけなのにぃ。
     評価される人はたまったものじゃないわね。

 (*^_^*) わざとデタラメなことをやる評価者はいねーよ。
     評価者には、評価の際に犯しやすいエラーがあるんだ。
     しかも、そのエラーは人によって様々だから始末におえないんよ。

 (*^・^) ふ〜ん、それをチンギン君が何とかしなければいけないのね。
     大変ねぇ。

 (*^_^*) なんだよーっ、ヒョウカさんも部外者じゃねーぞ!
     まあ、エラーチェックをかければ、評価者エラーのいくつかは判明
     するし、評価者訓練で評価精度を高めることは可能だよ。

     【参考】ここをクリック
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 (*^・^) なるほど。手はあるってことね。
     だけど、それで完璧というわけにはいかないんでしょう?

 (*^_^*) ああ、だから多くの企業では調整を行ってるんだ。
     甘辛調整なんて言葉を聞いたことない?

     【参考】ここをクリック

 (*^・^) 甘辛せんべい?

 (*^_^*) [この質問はなかったことにしよう]
     世の中には必要悪と言われる調整方法もあるってことさ。
     それと、評価結果は本人へフィードバックしないといけないね。

     【参考】ここをクリック

 (*^・^) あっ、それ絶対に必要だと思うわ。
     自分の優れた部分や足りない部分を知りたいもの。
     できれば客観的なデータで示して欲しいわね。

 (*^_^*) オッケー!
     何種類か比較グラフを用意するよ。

 (*^・^) ありがと。

 (*^_^*) [別にヒョーカさんのためじゃあないけど]
     その他にも運用段階でやりたいことはイッパイあるぞ。
     例えば、ある評価結果を別の用途に流用したり、特定の評価要素を
     時系列で確認してみたり。

     【参考】ここをクリック
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 (*^・^) zzz

 (*^_^*) また寝てんのかよ!

 (-.-)y- まあまあ、今日のところは寝かせておいてあげましょう。
     来週からは具体的な話になりますから、気を引き締めて取り組んで
     もらいますよ。


 ヒョウカさんも来週はビシッとやってくれるでしょう。
 もうカワイイだけの女とは言わせない( 記 ヒョウカ )

 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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【オマケ】

 (-.-)y- 人事制度は、設計を終えた時点がゴールではありません。
     運用を開始したときがスタートです。

     御社では、どのような運用をしたいですか?
     どのようなアウトプットを必要としていますか?
     その答えは、以下のページの『使う』で探してみてください。

     【参考】賃金体系
     【参考】人事評価
     【参考】賞与配分


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃目標設定
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 今日は、目標管理制度における「目標設定」について考えてみましょう。

 (-.-)y- さて、これから半期の目標を設定する練習をしてみましょう。
     お二人には、上司と部下の役でロールプレーイングをやっていただ
     きます。

 (*^・^) わたしロープレ得意よ!
     キャラは何にしようかな。

 (*^_^*) [それってゲームの話だろ]
     じゃあボクが上司やるから、ヒョウカさんは部下の役を頼むね。

 (*^・^) ヤダ!私が上司をやる。

 (*^_^*) えーーーっ!

 (-.-)y- まあまあ、実際にヒョウカさんが上司になるわけではありませんか
     ら、ここはヒョウカさんに上司役をやっていただきましょう。

 (*^_^*) 別にいいですけど。

 (*^・^) [やたっ]
     それではチンギン君、これから半年間のキミの目標を掲げてみなさ
     い。

 (*^_^*) まず目標設定の指針となるものを示してくださいよ。

 (*^・^) そんなの自分で考えなさい。

 (-.-)y- ピッピー!

 (*^・^) 何ですか、それ?

 (-.-)y- 間違えた演技をしたときの警告音です。

 (*^_^*) [コンサルタント・エックスさんも遊んでるなー]
     ヒョウカさん、それじゃあ上司失格だってさ。

 (*^・^) じゃあ、どうしたらいいの?

 (-.-)y- 上司は、あらかじめ会社や部門の方針、事業計画を部下に伝えてお
     かないとダメですよ。     

 (*^・^) は〜い。
     それではチンギン君、今期はホニャララな計画となってるからね、
     ○○業務と△△業務を担当してください。
     ○○業務の目標は□□件、△△業務は××までに完了することを目
     標にしてください。
     実行にあたっては、以前私がやった方法をマニュアル化しておくか
     ら、その通りにお願いします。

 (-.-)y- ピッピー!

 (*^・^) [ピーピーうるさいなぁ]
     今度はなんですか?

 (-.-)y- それではノルマになってしまいます。
     目標を設定するときから部下と共同でやらないと意味ないですよ。

 (*^_^*) 上司がそんなんじゃあヤル気が起きねーよ。
     だいたい実行するときに「この方法でやれ」なんて言われてもなぁ。
     もっと自分に合ったやり方で進めさせて欲しいことだってあるよ。
  
 (-.-)y- そうですね。
     あまり強要すると、部下のチャレンジ精神がそがれてしまうことが
     あります。

 (*^・^) [二人ともヒドイわ。これってイジメね]
     わかりました。
     目標管理はノルマではありませんものね。

 (-.-)y- できるだけ「部下がやりたい事」を「部下がやりたい方法」でやら
     せてあげてください。

 (*^・^) なるほど。放任主義でやれということですね。

 (-.-)y- 放任ではありませんよ。
     目標は事業計画に沿った内容にしなければなりませんから、設定の
     段階からちゃんと支援してあげてください。
     目標設定のときも、実行してからも、部下が目標を達成できるよう
     にバックアップすることが上司の役割です。

 (*^_^*) ある程度、自分のやりたい事をやらせてもらったり、少し責任のあ
     る仕事を任せてもらえるとヤル気が起きますよね。
     
 (-.-)y- そうですね。
     そして目標達成に向けてのプロセスも部下自身に考えてもらい、自
     分で決めた方法で実行できるなら最大の能力を発揮することが期待
     できます。

 (*^・^) こちらから一方的に押しつけるのではなく、部下に気づきを与える
     ことが大切なのですね。

 (-.-)y- そうですよ。
     上司と部下がうまくコミュニケーションを取れないと、目標管理は
     失敗してしまいます。上司の役割は重要なのです。

 (*^・^) あのぅ、今日はロープレのはずだったのでは?

 (-.-)y- ああ、それはキミ達に理解してもらうための策です。
     どちらが上司役でも必ずダメ出しが予想できましたから。

 (*^・^) [上司役なんてやらなきゃよかった]
     もしかして、私ってダメ上司だったのね。   

 (*^_^*) [上司役やらなくてよかったぁ] 
     うん。


 上司は部下を選べる(こともある)けど、部下は上司を選べません。
 目標管理は、上司(管理職)の役割を認識させるための手法でもあるのです。
 
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

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【オマケ】

 (-.-)y- 目標管理の成否は「上司」が鍵を握っています。

     現状では多くの企業で「実務能力のある人を管理職に昇進させる」
     というシステムになっているのではないでしょうか。
     マネジメント能力や管理者としての適性を十分に考慮している企業
     はあまり多くないように思います。
     他に適格者がいるのにもったいないことです。

     等級制度は、昇進と昇格を別物として運用することができます。
     今後は、昇進と昇格を分けて考え、管理職に必要な能力や適性によ
     って管理職を任命する、管理職にならなくても実務能力に優れたエ
     キスパートの上位等級昇格を可能とする、そのようなシステムを構
     築していくことを推奨します。

     【参考】シャチョーさんとカチョーさんシリーズ 第46話


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃蜘蛛の糸
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 (-.-)y- 今日は「蜘蛛の糸」になぞらえた話をしましょう。

 (*^_^*) 蜘蛛の糸?
     ヒョウカさんの顔をした女郎蜘蛛の巣にひっかかって、ボクがもが
     き苦しんでいる姿が目に浮かびます。恐っ!

 (*^・^) [バカね、ここは文学少女ヒョウカ姫の出番だわ]
     芥川龍之介の「蜘蛛の糸」ですね。
     何度も読んだからよく覚えています。

 (-.-)y- さすがヒョウカさんですね。
     どんな内容かチンギン君に教えてあげてください。
     [実は、自分も国語の教科書で読んだだけだったりして〜]

 (*^・^) 思い出しながら話しますね。

     ある日の事です。
     お釈迦様は極楽の蓮池のふちを散歩されていました。
     ふと下をご覧になると、その下に地獄の様子がはっきりと見えます。

     地獄の底でカンダタという男がほかの罪人と一緒にうごめいている
     姿が目に止まりました。
     このカンダタという男、極悪人ですが、それでもたった一つだけ、
     良い事をした覚えがあります。
     ある時この男は道端の蜘蛛を踏み殺そうとしましたが「小さいなが
     らも命あるもの、その命をむやみにとるのは可哀想だ」とその蜘蛛
     を殺さずに助けてあげたのです。

     お釈迦様は地獄の様子をご覧になりながら、できるなら、この男を
     地獄から救い出してやろうとお考えになりました。

     側をみますと蓮の葉の上に極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をか
     けております。お御釈迦様はその蜘蛛の糸を遥か下にある地獄の底
     へ、まっすぐにおろしなさいました。

     ある時の事です。
     何気なくカンダタが血の池の空を眺めますと、遠い遠い天上から、
     銀色の蜘蛛の糸が、するすると自分の上へ垂れてきました。

     カンダタはこの糸にすがりついて、どこまでものぼって行けば、き
     っと地獄からぬけ出せると思い、一生懸命に上へ上へとたぐりのぼ
     り始めました。
 
     途中で一休みして下を見ると、蜘蛛の糸の下の方から数限りもない
     罪人たちが、自分ののぼった後をつけてよじのぼって来るではあり
     ませんか。

     自分一人でさえ切れてしまいそうな細い蜘蛛の糸です。
     もし途中で切れたら、元の地獄へ落ちてしまいます。

     そこでカンダタは大きな声を出して「こら、罪人ども。この蜘蛛の
     糸はオレのものだぞ。下りろ。下りろ」と喚きました。

     その途端、蜘蛛の糸はカンダタのぶら下っている所から、プツリと
     音を立てて切れました。カンダタは見る見るうちに暗の底へ、まっ
     さかさまに落ちていきました。

     お釈迦様は極楽の蓮池のふちから、この一部始終をじっと見ていら
     っしゃいましたが、とても悲しそうなお顔をなさっていました。

     カンダタはお釈迦様に見捨てられてしまったのね。オシマイ。

 (*^_^*) へぇ〜、面白い話だね。
     ボクは海外生活が長かったから知らなかったよ。

 (*^・^) うそつきーっ!地獄へ落ちろー!!

 (-.-)y- まあまあ、本題に入りますよ。
     この話の中で、蜘蛛の糸は「ライフライン(命綱)」です。
     それを上司と部下の関係におきかえると「マネジメントライン」に
     なります。

 (*^_^*) [またワケわかんねーこと言いだしたぞ]
     マネジメントライン?

 (-.-)y- はい。上司は担当部門全体の管理を任されています。
     はっきりいって当初計画以上に部門業績を上げることは自分の評価
     を上げることにつながります。

 (*^_^*) なるほど、至極当たり前の話ですね。

 (-.-)y- 上司としては、部下の尻を叩いて頑張ってもらいたいですよね。
     「頑張れ」「やれば出来る」「何やってんだー」とか言って。
     でもね、それが部門の力量を超えたものであれば何処かにムリがき
     ます。とーぜん部下は助けを求めるてくるでしょう。     
     チンギン君、部下の立場ではどうでしょう?

 (*^_^*) 「なんか対策立てろよー」って言いたくなりますよ。
     
 (-.-)y- そう、それがマネジメントラインなのですよ。
     下から助けを求めている部下達に対して、手を差し伸べることもせ
     ずに、自分だけ地獄から逃れようとしても、そんなことをお釈迦様
     はお許しになるはずがありません。

 (*^_^*) ですよねぇ。

 (-.-)y- 水準を超えたレペルの仕事は、ムリをすると手痛いしっぺ返しがき
     ます。だから、それを実現するための対策を講じなければなりませ
     ん。部下が納得できる形を作ってから仕事に取りかかり、途中もが
     き苦しむ部下がいたら手を差し伸べることが必要なのです。
     
 (*^・^) 社内の上司は、ほとんどがプレイングマネージャーだから、部下の
     支援はあまりしてないようですね。「あれやれー」「これやれー」
     と言ってるだけだもん。ほっぽらかしよ。

 (-.-)y- プレイングマネージャーだからといって、マネージャーであること
     に変わりはありませんよ。自分がプレーしなくても良い状態になる
     ようにプレーヤーを育てていくことが責務ですから。
     部下の指導・育成に関する評価要素も入れておいた方がいいですね。

 (*^_^*) 来年は、ヤクルト古田監督兼プレーヤーの手腕が見物ですね。

 (-.-)y- ほう、チンギン君も野球好きですか。
     野球チームも会社も「組織マネジメント」という面では共通点が多
     いですから、問題意識を持って観ると面白いと思いますよ。

     野球では、個人成績よりもチーム成績が優先されます。
     会社だってそうです。スーパースターはいなくても組織の総合力が
     大きければ、勝ち組の常連でいられるのです。


 ネットで調べものをしているとき、たまたま「蜘蛛の糸」を見つけたので、
 人事制度の運用編にちょうど良いと思い、本日の題材にしてみました。
 それにネット(網)って蜘蛛の巣みたいだし(^^ゞ 
 
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。

======================================================================

【オマケ】

 (-.-)y- マネジメントラインは上司と部下だけの関係には留まりません。
     部門間あるいは同僚間といったヨコの関係もあります。
     マネジメントラインは「蜘蛛の糸」というよりも「蜘蛛の巣」と考
     えた方が適切かもしれませんね。

     一本釣り → 網漁

     あなたの会社にもありますか?
     そんなマネジメントラインが・・・


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃評価者訓練
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 (-.-)y- そろそろ人事評価を行う時期になりましたね。
     評価者訓練を実施しましょうか。

 (*^_^*) どんな訓練をするのですか?

 (-.-)y- 評価者が、上手に評価できるように、事前に練習をしておくのです。
     まあ、最初ですから簡単なクイズを解いてもらいましょう。

 (*^・^) わぁ、面白そうね。
     私たちもやってみたいわ。

 (-.-)y- もちろん、キミ達にも体験してもらいますよ。
     実際の評価者訓練では、キミ達が講師です。やり方をしっかり覚えて
     ください。

 (*^・^) は〜い。

 (-.-)y- それでは問題を出します。○×で答えてください。

 (*^_^*) えっ、○×で答えるのですか?
     
 (-.-)y- そうですよ。何か不満でも?

 (*^_^*) いや、別にいいんスけどね。
     5段階評価でやるものとばかり思ってたもんですから。
     [せめて3段階くらいにしろよー]←と言いたい

 (-.-)y- 体験してみればわかります。じゃ、いきますよ。
     ------------------------------------------------------------
     ここに○×クイズの問題が書かれていると念じてください。 
     さあ、眼を閉じて。ほ〜ら、だんだん見えてきたでしょう。

     どうしても見えない人は、別の事例ですがコチラをご覧ください。
     【参考】シャチョーさんとカチョーさんシリーズ 第13話
     ------------------------------------------------------------

 (*^・^) 答えは○だと思います。

 (*^_^*) はぁ?何いってんの。これは×だろう。
     もっとよく考えてみろよ。

 (*^・^) チンギン君こそ考え方がヘソマガリよっ!
     コンコンコン、脳みそ入ってますかぁ?

 (*^_^*) [アタマ触ってもらってチョット嬉しい]
     アタマ叩くんじゃねーよ。

 (-.-)y- お2人はホントに仲がいいですねぇ。
     問題を解いてみて、何か感じたことはありませんか?

 (*^_^*) 別にぃ。

 (*^・^) 別にぃ。

 (-.-)y- お2人の解答が分かれましたよ。
     ○×クイズだと思って舐めてかかってたのでは?

 (*^_^*) アハアハアハ、お恥ずかしいですぅ。

 (*^・^) ホントにね。
     きっとチンギン君とは気持ちが通じ合っていないのね。

 (-.-)y- そんなことはありませんよ。お2人は良いパートナーです。
     お2人の解答が分かれた理由ですが、この○×クイズに巧妙なトラ
     ップ(罠)が仕掛けてあったからです。
     まんまと引っかかりましたね。

 (*^_^*) コンサルタント・エックスさんも人が悪いなぁ。

 (*^・^) ヘソマガリはコンサルタント・エックスさんの方ね。

 (-.-)y- あらら〜、すっかり悪者にされちゃいましたね。
     まあ、考えてみてくださいよ。評価者の皆さんも、この○×クイズ
     のトラップを避けて通るわけにはいかないと思いませんか?

 (*^_^*) 言えてますね。
     これなら評価者訓練として使えそうだな。

 (*^・^) そうね、解答が分かれるのも面白いかも。

 (-.-)y- 訓練ではグループ討論を行います。
     個人別に問題を解いた後で、あらかじめ作っておいた4〜5人1組
     のグループで再度問題を解いてもらいます。解答にバラツキのある
     5人の考え方を統一しなければなりませんから大変ですよ。自分の
     考え方が正しいか否か、メンバーの意見を聞きながら検証していく
     のです。

 (*^_^*) へぇ〜、その講師をボク達がやるわけね。
     [ちょっとプレッシャー]

 (*^・^) 私、わかっちゃいました。グループで話し合う、それがこの訓練で
     一番大切なことなのですね。

 (-.-)y- はい。
     評価者がそれぞれ勝手な考え方で評価したらブチコワシですからね。
     部下を評価するための共通のモノサシを用意しなければなりません。
     それが評価者訓練です。

 (*^_^*) ところで、ボクとヒョウカさんの解答ですが、どっちが正解だった
     のですか?

 (*^・^) 私も知りたいわ。

 (-.-)y- それはヒミツです。


 実際に○×クイズ形式で行う評価者訓練を用意していますよ。
 さて、2人の今後の展開はどうなっていくのでしょう。


ナビゲーション

バナースペース